改めて知っておきたい「子宮」
「子宮ってどこにあるの?」
性教育や初潮のタイミングで、こんな質問を受けたことはありませんか?
私もよく、「お腹の奥にある赤ちゃんの“お布団”を作るお部屋だよ」と説明します。
でも実際は、どんな形でどこにあるのか、ちゃんと知っている人は意外と少ないかもしれません。
今回は、子宮の場所や働きについて、あらためてわかりやすくお伝えします。
1. 子宮の場所
子宮は、お腹の奥…骨盤の中央付近にある小さな臓器です。
膀胱と直腸のあいだに挟まれるように位置していて、形は洋梨に似ているとも言われます。
成人女性では、
- 長さ:約8cm
- 幅:約4cm
- 重さ:約50g(鶏の卵くらい)
実は、生まれたばかりの女の子にもちゃんと子宮はあって、おりものや新生児月経と呼ばれる反応も見られます。
とても小さくても、すでに働き始めているんですね。
子宮は、骨盤底筋という“からだの底”を支える筋肉たちにハンモックのように支えられています。
これによって、臓器が外に出てしまわないよう保たれているんです。
2. 子宮の働きと構造
子宮は2つのパートに分かれています。
- 上部の「子宮体部」(赤ちゃんが育つ場所)
- 下部の「子宮頸部」(出入り口のような場所)
どちらも、外側は筋肉、内側は粘膜でできていて、月経や妊娠・出産に深く関わる重要な役割を担っています。
また子宮は、赤ちゃんを育てるときに体積が800倍にもなる驚きの臓器。
約3kgの赤ちゃんをすっぽり包み込むことができるんです。
3. 子宮の位置に違いがある?
実は、子宮の傾きや位置には個人差があります。
▸ 子宮後屈(こうくつ)
子宮が後ろに傾いて、直腸側へ曲がっている状態。
腰に生理痛が出やすい人に多く見られますが、ほとんどは問題ありません。
▸ 子宮前屈(ぜんくつ)
子宮が前に傾いて、膀胱の方へ曲がっている状態。
こちらも比較的よくあるタイプで、特に異常ではありません。
▸ 子宮下垂(かすい)
子宮が本来の位置より下がってしまう状態。
骨盤底筋のゆるみなどが原因で、ひどい場合は膣から子宮が出てくることも。
この予防には、日頃の骨盤底筋トレーニングがとても大切です!
最後に
子宮は、女性の体の中でとても働き者な臓器です。
妊娠・出産だけでなく、毎月のリズムや体調とも密接につながっています。
「どこにあるの?」「どうやって働いてるの?」
そうやって疑問を持つことが、自分の体を大切にする第一歩です。